北九州のマイナーな博物館巡り

スポンサーリンク

2023/7/15(土)・2023/7/16(日)の2日間で、北九州にある博物館を4か所巡りつつ、関門海峡周辺を観光する旅に行ってきました。
福岡県北九州市はその名の通り九州地方最北端の都市で、人口は約90万人の大都会です。主要な鉄道駅は山陽新幹線の小倉駅。主な観光スポットとして、今回の旅行で訪れた門司港レトロのほか、夜景スポットの「皿倉山」、広大なカルスト台地が美しい「平尾台」などがあります。

今回の旅行で訪れた博物館

・TOTOミュージアム <福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1>
・ゼンリンミュージアム
 <福岡県北九州市小倉北区室町1-1-1 リバーウォーク北九州14F>
・九州鉄道記念館
 <福岡県北九州市門司区清滝2丁目3−29>
・門司電気通信記念館
 <福岡県北九州市門司区浜町4-1>

今回の旅では、この4つの博物館を訪れました。私が個人的に興味あるところばかりなので、マニアックな博物館ばっかりですが、それゆえに3連休でも人が少なく、1人でゆったりと鑑賞できて楽しめました。
唯一、「九州鉄道記念館」だけは子供連れや鉄道ファンが多く訪れて混雑するかもと思い、午前9時の開館直後を狙って入場するスケジュールで行きましたが、イベント開催日や大型連休でなければ、待ち時間も無く普通に入場できそうな感じでした。

・1日目【2023年7月15日(土)】

朝、自宅から最寄りの新幹線駅である鹿児島中央駅に移動して、旅が始まります。
JR九州が発売している「みんなの九州きっぷ(全九州)」という乗車券を購入したので、今回は鉄道を主な移動手段とした旅になります。
博多駅~鹿児島中央駅の新幹線往復よりも安価な18,000円で、JR九州の新幹線・特急を含めた鉄道に2日間乗り放題になります。3連休で良い宿泊先を見つけられなかったこともあり、この乗り放題切符を最大限に活用して、日帰り旅行×2日と言う旅程を組みました。
なお、「みんなの九州きっぷ」は2023年7月17日で販売終了。今後の発売情報は未定となっています。

目的地は小倉駅周辺のため、九州の端から端まで移動です。新大阪行きの九州新幹線に乗ったものの、ま博多~小倉の区間は新幹線の管轄がJR西日本になるため、今回の切符では乗れず、在来線特急のソニック号に乗り換えます。
この日は3連休の初日と言うことで、特急ソニック号はどこが最後尾か分からないほどの大混雑っふり。私は早々に着席を諦め、小倉駅までの約45分間を通路デッキの片隅に身を潜めます…
ちなみな博多~小倉間は新幹線だと約15分ですが、運賃が大人1名自由席で2,160円。

・TOTOミュージアム

小倉駅で普通列車に乗り換え、午前11時頃に2駅目の「南小倉駅」で下車。駅から10分ほど歩いて、1か所目はトイレの博物館「TOTOミュージアム」に向かいます。
「TOTOミュージアム」はその名の通り、TOTO株式会社が運営している博物館で、TOTOの工場、ショールームと併設していました。TOTOの宣伝にもなるからなのか、入場料はありがたいことに無料。入り口付近には小さな売店とTOTOの歴史、少し奥に進むとトイレバイクの展示があり、更に奥には歴代の大便器や洗面器の展示など、無料とは思えないほど盛りだくさんの内容でした。

トイレバイクは10年ほど前にテレビCMなどでも流れていた記憶があります。当時、バイオ燃料で北九州~東京を走っていました。バイクと言っても、この車体は「トライク」ですね。普通自動車免許で運転できて、日本の道路交通法上はヘルメットも不要な乗り物です。
バイク好きの私としては、スピードメーターがとんでもない所に移設されていたり、あの便座にめり込んだシートで長距離走行はキツイだろうなーなどと考えたりして、このトイレバイクだけでも面白いです。

TOTOは陶器の会社でもあるので、トイレだけでなく食器や蛇口、昔の洗面台などの展示もあり、洗面台なんかは約100年前の物でも現在と比べても遜色ない形状だったことが驚きでした。こんな感じで楽しみながら、ゆっくり回って約1時間ほどで入り口に戻ってきました。
学校などの団体見学がある可能性もあるので、平日よりも土日祝日の訪問がおすすめです。

・ゼンリンミュージアム

2か所目の博物館は、住宅地図の会社である「ゼンリン」が運営している「ゼンリンミュージアム」に行きます。先ほどのTOTOミュージアムからの距離は約2km、徒歩30分ほどでしたが、暑さに負けて再び南小倉駅に戻り、1駅だけ電車に乗りました。
13時前に「西小倉駅」で下車。徒歩数分で「リバーウォーク北九州」と言うショッピングモールに到着。ゼンリンミュージアムはこの中にあるようですが、このショッピングモールの構造が複雑で、初めて来た私にとっては迷路のようでした。5分ほどさまよった後、紫色の案内看板を頼りに何とか連絡通路を見つけ、エレベーターで14階あるミュージアムに着きました。

入場料は1,000円と少しお高めでした。館内はそれほど広くないものの、大きな伊能図の複製をメインに、私が訪れた日は自動車用地図やカーナビの企画展の展示もあり、地図好きの私にとっては十分に楽しめる内容です。所要時間は約1時間でした。
館内は一部を除いて撮影禁止のため、写真はあまり取れませんでしたが、他のお客さんも数名程度のほど貸切状態で、北九州の街並みや関門海峡、すぐ隣にはお城(小倉城)もあって窓からの絶景も楽しめました。併設のカフェもあり、外は3連休で人混みが凄いにも関わらず、ここに入れば景色をほぼ一人占め、まるで都会のオアシス的な場所にも思えました。

併設のカフェで少し休憩したあと、入場特典として、1階の「Map Design GALLERY小倉」にて昭和の「九州道路地図」マグネットをゲット。
帰りの電車まで時間の余裕があったので、隣の小倉城を軽く散策。夏祭り?なのかは分かりませんが、たくさんの出店もありとても賑わっていました。

ここから小倉駅までは約1.1km。歩いても行ける距離でしたが、相変わらず暑さに負け、一番近い西小倉駅へ戻り、小倉駅へ移動します。
15時過ぎの遅い昼食は、駅構内の立ち食いうどん屋でかしわうどん+いなり寿司1つを注文。かしわうどんは450円で結構なボリュームがあり、お腹いっぱいになりました。

これにて1日目は終了。15時40分に小倉駅を出発する特急ソニック号に乗って、いったん鹿児島の自宅に帰ります。特急は相変わらず混雑していたものの、往路の時よりかはマシな様子。何とか通路側に1人なら座れそうな乗車率でしたが、通路デッキが広くて快適だったので、帰路も通路デッキに身を潜めました…

お土産として、TOTOミュージアムで便器のミニチュアを購入。値段は1,650円と高かったですが、自宅のトイレに飾りたいと思って購入。ゼンリンミュージアムでは入場特典として「九州道路地図」のファイルとマグネットを貰いました。ファイルは入場チケットなどが入る小さめのものなので、今後のバイク旅で活用できそうですね。マグネットはとりあえず冷蔵庫にくっつけてます(笑)
片道3時間の移動ですが、いつもの過酷なバイク旅と違って快適な新幹線+特急列車が移動手段の今回の旅では、楽々な道のりに思えます。明日は朝早いので、早めに寝て2日目の旅に備えます..zzz

・2日目【2023年7月16日(日)】

本日は始発の新幹線に乗って、1日目と同じルートで再び北九州を目指します。
鹿児島中央駅は新幹線の始発駅なので、自由席でもほぼ100%座ることができます。博多~小倉については、この日は3連休の中日だからか、昨日は空席が無かった特急ソニック号の指定席が空いていたため、指定席に座って、朝飯の弁当を食べながら快適な移動ができました。
小倉駅で門司港駅行きの普通列車に乗り換えて、午前9時12分に北九州の北部に所在する門司港駅に到着。この辺りは「門司港レトロ」と呼ばれる古い建物が立ち並ぶ観光地となっていて、駅舎も明治~大正時代を思わせる立派な外観です。

・九州鉄道記念館

門司港駅から徒歩3分、3か所目の博物館である「九州鉄道記念館」に入場。入場料は300円で、Suicaなどの全国共通ICカードが使用できます。(JR九州のICカード「SUGOCA」利用なら2割引)
九州の鉄道系博物館の中ではここが一番大きく、古い乗り物が好きな私にとっては一度来てみたかった場所です。

中央ゲート付近にはSL2台の展示があり、その奥に行くと、昭和の時代に九州をメインに活躍した特急列車が展示されています。その一部は当時の雰囲気そのままの車内にも入れるのが楽しいです。
横の階段を上がって行くと、明治時代に建てられ、国登録有形文化財にも登録されているレンガ造りの本館があり、この中に細かな展示があります。
本館では明治時代の客車を見たり、九州の鉄道の歴史を学んだりして、記念館を後にします。子供が多く、鉄道模型コーナーが見れなかったのが残念ですが、3連休なので諦めます… 規模は小さいですが、安価な入場料で楽しく回れました。所要時間は約1時間でした。

帰り際、中央ゲートの少し先に「じも」と書いた駅名標と数メートルだけの線路を発見。気になって立ち寄ってみると、「旧0哩標」と言う昔の九州の鉄道起点のようです。関東だと東京駅、高速道路で言うと0キロポスト(東名高速道路 東京ICや中国自動車道の吹田IC)のようなものですね。昔は重要な場所だったのでしょうが、今となっては、九州鉄道記念館の横でひっそりとその歴史を刻んでいるのでした。

・門司電気通信レトロ館

続いて、門司港のレトロな街並みを歩きつつ、最後の博物館「門司電気通信レトロ館」を目指します。
九州鉄道記念館・門司港駅からは近く、寄り道しなければ約800m(徒歩10分ほど)で到着できます。私は門司港のあたりを散策しながら向かったので、30分かけての到着でした。

この建物の1階部分が博物館になっています。見た目は古く感じませんが、旧NTT門司営業所の建物で1924(大正13)年に建設とのことで驚きです。
NTT西日本が運営している電話の博物館で、入場料は無料で自由に見学できるのが嬉しいポイントです。時計回りに館内を回り、電話が発明されてから現在のスマホに至るまでの歴史を見ることができて、個人的には古い電話機をたくさん見ることができたのが満足です。

小さな館内でしたので、所要時間は20~30分で見学できました。
こうして、4つのマニアックな博物館巡りを楽しめましたが、まだお昼の12時前ですので、関門橋の方へ歩きながら観光します。

・和布刈公園 / 関門トンネル(人道)

外気温は30℃を超えているので、疲れないようにゆっくりと歩いて九州最北端の地、和布刈(めかり)公園の方向に向かいます。
15分歩いたところで自動販売機と木陰のベンチを見つけたので、関門海峡を見ながらここでしばし休憩。行きかう船を見ながら、こう言う場所でのんびり過ごす。穏やかで好きな時間です。

この辺りまで来ると、外国人観光客が増えてきました。もはや、関門海峡も世界的な観光地なのかもしれませんね。ノーフォーク広場から更に進むと、和布刈神社があります。この辺りまで来ると門司の市街地よりも対岸の下関の方が近く感じます。天気予報では北九州市の最高気温は33℃でしたが、潮風が涼しくて、この辺りでは暑さを感じません。

観光しているうちに意外と歩いていて、門司港駅から約3kmも進んでいました。この先の「関門海峡めかり駅」から、観光用のトロッコ列車で門司港駅へ戻ることもできるのですが、次の発車時刻まで40分待ち。暑い中待ってるのも退屈なので、せっかくなら歩いて関門海峡を渡って対岸の本州(下関市)へ上陸したいと思います。

関門橋は自動車専用道路(中国自動車道)となっているため、歩行者は「関門トンネル(人道)」を通行します。エレベーターで地下のトンネルへ降りて、全長約800mのトンネルを歩きます。
関門トンネル(人道)は歩行者だけでなく、自転車と原付(50cc未満)が通行できます。但し、自転車と原付はトンネル内を走行できないため、押し歩きで進むことになります。エレベーターも2基あり、そのうち1つは自転車・原付が何台も入る特大サイズになっていました。

関門トンネルは2層構造になっていて、この人道トンネルの真上が自動車用の道路で、四輪車や50cc超のバイクはそちらを通行することになります。そのため、この人道トンネルも国道2号線になっています。
夏場のトンネル内は湿気と熱気がこもっていてサウナ状態。体感的には温度30~35℃、湿度90%以上と言った感じで外の方が断然涼しかったです。3連休だからか人の通行がそこそこあり、外国人観光客も半分くらいで、珍しいトンネルという事で賑わっていました。

長~いトンネルを徒歩で県境越え、本州側(山口県下関市)にやって来ました。途中、バイクの人が押し歩きせずに走行していたらしく、スピーカーで係員?から注意されていました。どっかから監視カメラで見られているみたいなので、誰もいなくても変な行動はやめておきましょう(笑)
関門海峡の下関側も、和布刈公園よりは小さいですが、みもすそ川公園という公園になっており、爽やかな潮風を感じながら散歩することができます。その昔、平安時代に源氏と平氏が戦った有名な「壇ノ浦の戦い」の地でもありました。源義経と平知盛が戦っている大きな像が目を引きます。

ここからの最寄り駅は「下関駅」になりますが、距離が約3.5kmと少し離れているので路線バス(サンデン交通)を利用します。バス停は関門トンネル(人道)出入口の目の前になり、日中は下関駅行きが10~20分間隔に1本出ていて旅行の移動には十分です。全国共有交通系ICカード使えましたので、清算はSuicaでOKです。旅先の慣れないバスでSuicaが使えるのはありがたいです。

3連休で下関駅までの道路が大渋滞していました。そんな中、バスは空いている右側車線を走り、バス停がある所だけ渋滞の車の間に入り込み、お客さんを乗せたらまた右側車線に入るというアクロバティックな動きで遅れを最小限にとどめたものの、3.5kmを約25分かかりました。
下関駅の観光案内所で「関門toppa記念証」と昨年到達したものの貰い損ねていた本州最西端「毘沙の鼻」の到達証明書をゲットしました。

のんびりしていたら時間も14時過ぎになりましたので、そろそろ帰路に着きます。帰りのルートは時間こそかかりますが、在来線特急と普通列車を乗り継ぎ、景色を眺めながら大分、宮崎経由の九州東回りルートで自宅へ帰りたいと思います。
下関駅から小倉行きの普通列車に乗り、小倉駅でこれまでとは逆方向の大分行き特急ソニック号に乗ります。小倉より先のソニック号車内はガラガラで、自由席でも足元ゆったりの席に座れました。小倉駅から大分駅まで約1時間30分、大分駅では宮崎空港行きの特急にちりん号に乗り換えて、大分~宮崎まではなんと3時間20分のロングランです。途中、宮崎県北部にある延岡市までは深い山中を走行するため、特急列車でも時速60km/hほどしか出すことができず、所要時間が長くなっています。このように、宮崎に列車で行くには時間がかかるため、九州では福岡在住の人が急ぎで宮崎に行く場合は飛行機を使うのが普通になっています。
ちなみに、博多駅から宮崎駅前の飛行機を除いた最速は「B&S宮崎」と言う新幹線と高速バスを乗り継ぐルートで、所要時間3時間15分からとなっています。

長~い移動で宮崎の中心、宮崎駅に到着。この時期(5月~7月)の九州は日の入りが遅く、19時30分頃が日の入りのため、天気が良い日だと昼間のように明るく、20時でも薄っすら明るかったりします。そのため、この時間の到着でも景色を楽しみながら、のんびり列車の旅で移動できました。

宮崎駅前の「アミュプラザ宮崎」に入っている定食屋さんでチキン南蛮を食べ、軽く宮崎の夜景を眺めて帰路に着きました。宮崎から鹿児島中央行きの特急列車は19時が最終と早く、最後に普通列車に2時間以上乗車したことが一番しんどかったかもしれません。

しかしながら、普段はバイクで旅をしている私にとって、鉄道での移動は快適なものでした。今後もお得な切符・航空券をゲットしたらまた公共交通機関を利用した旅もやってみたいですね。

・旅程(1日目)
鹿児島中央→博多→小倉→南小倉
「TOTOミュージアム」
→西小倉
「ゼンリンミュージアム」・「小倉城」
→小倉→博多→鹿児島中央
・旅程(2日目)
鹿児島中央→博多→小倉→門司港
「九州鉄道記念館」・「門司電気通信レトロ館」・「門司港レトロ」・「関門トンネル(人道)」
→徒歩→御裳川バス停→下関駅前
「下関駅観光案内所」
→下関→小倉→大分→宮崎
「アミュプラザ宮崎」
→都城→鹿児島

【2日間の旅費:25,140円】

・交通費:18,260円 (みんなの九州きっぷ(全九州):18,000円、バス(サンデン交通:御裳川~下関駅):260円)
・入館料:1,300円 (ゼンリンミュージアム:1,000円、九州鉄道記念館:300円)
・記念品:1,750円 (TOTO大便器ミニチュア:1,650円、到達証明書(毘沙の鼻):100円
・飲食:3,830円 (7/15:1,700円、7/16:2,130円)