バイクで沖縄へ ~24時間の船旅~

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沖縄本島へのバイク旅行の記録です。1月に少しばかり時間があったので、自分のバイクで沖縄本島へ行ってみました。
バイクと言うより船の旅です。バイクを持ってて時間がある人や九州在住で船旅も楽しみたい人にはオススメですが、沖縄は遠くて小さい島です。今はLCCや航空会社の早割で飛行機でも安価に移動できるので、レンタルバイクを借りて2~3日の旅が時間的にも費用的にも一番オススメです。

・マルエーフェリー / マリックスライン

2024年現在、フェリーで沖縄を目指すには、必然的に鹿児島に行く必要があります。鹿児島新港から那覇行きのフェリーに乗るほかに選択肢が無いからです。
昔は日本各地と那覇を結ぶフェリーがあったのですが、次々に旅客営業を終了して貨物専用船となり、神戸・大阪と那覇を結ぶフェリー「琉球エキスプレス」が2017年に廃止になってからは、鹿児島~那覇のフェリーしか運航していないのが現状です。

鹿児島~那覇航路は「マルエーフェリー」と「マリックスライン」の2社が同じ時間・航路で1日1便運行しています。奇数日がマルエーフェリー運航、偶数日がマリックスライン運航といった感じです。
私が乗船した日は、マルエーフェリーの「フェリー波之上」の運航日でした。

フェリーは那覇行きですが、いずれも沖縄本島北部の本部港にも寄港します。本部~那覇までの乗船時間は約2時間のため、バイクの場合は目的地が那覇周辺で無ければ、本部で降りた方が早く着くかと思います。
フェリー乗船料金も若干ですが那覇まで行くよりも安く、鹿児島新港~本部港行き・旅客2等が15,610円、バイクが7,250円でした。燃油の影響で毎年変動はありますが、年末年始でも運賃が高くなることが無いので、この点は他のフェリー会社と比べて良心的です。

バイクの料金区分は125cc未満とそれ以上に分かれていて、250ccでも1000ccオーバーでも同じ料金です。ちなみに、同じ区間を普通乗用車(全長4~5m未満)で乗船すると約6万円です。キャンピングカーなどでの長期旅でもない限り、旅行でマイカーを運搬するのは現実的では無いですね… 

・鹿児島新港

と、いう訳でバイクを走らせ、鹿児島新港「奄美・沖縄フェリーターミナル」にやってきました。出航前には係員がいますので、バイクは指示された場所に停めればOKです。
念のため1か月前に電話予約をしましたが、年末年始・GW・夏休みの多客期で無ければ、直前の予約や予約無しの当日受付でも大丈夫そうです。

意外にも新しくてきれいなターミナルビルです。ここの3階でまずは人の乗船手続きを行い、その後に1階の奥に移動してバイク(貨物扱い)の手続きを行います。
北海道・九州行きなどの日本の他のフェリーでは、人と車・バイクは同時に手続きできるのですが、ここでは何故か別々に手続きを行う必要があり、結構不便です。

鹿児島新港のフェリー出港時刻は18時となっていますが、車・バイク有りの場合は16時~16時30分の間に手続きと乗船を済ます必要があります。
だいぶ早いですが、その分一般の乗客よりも先に乗船できるので、誰もいないうちに自席に移動して荷物をまとめたり、一番乗りでシャワー室に行ったりするのがオススメです。

私が乗船した時期が年始だったので、17時を過ぎると大量の乗客が乗ってきました。2等客室も満席でまさに雑魚寝状態です。
この船はただ沖縄に行く訳ではなく、奄美大島・徳之島などの鹿児島県の離島を経由して行くため、途中の島での乗客の乗り降りも多い様子です。

・「フェリー波の上」船内

船内を徘徊しているうちに、18時を過ぎてフェリーが出航しました。
最初の2~3時間は市街地から近い錦江湾内を航行するため、揺れが少なくインターネットも繋がります。1月でしたがこの日は暖かく、鹿児島でも外気温が約15℃ありましたが、デッキに出ると風が強くて体感気温は低く感じます…

船内には客室のほかに売店、自動販売機、レストラン、シャワー室、貴重品ロッカー、公衆電話などがありました。貴重品ロッカーは非常に小さく、財布とスマートフォン+鍵くらいしか入りません。
レストランは夕食、朝食、昼食時の限られた時間帯のみの営業ですが、それ以外の時間でもテーブルは解放されていました。大体の食事が1,000円以上とそこそこお高めなので、時間と荷物に余裕があれば、鹿児島にある「タイヨー」などのご当地スーパーで食材を調達しておくのがオススメです。

船内の時刻表通り、20時を過ぎた頃にはフェリーは錦江湾を抜けて外洋に出ました。電波が圏外になって揺れも激しくなってきました。船酔いする前に寝床に戻って寝ることにします。

・名瀬港 (奄美大島) ※爆睡中…

早朝5時30分頃、フェリーは名瀬港(奄美大島)に寄港して乗客の入れ替わりがあったようですが、爆睡していて港の様子などを見ることはできませんでした。
朝、起きた頃には奄美大島の南にある加計呂麻島が見えました。奄美大島から先は有人島の近くを航行するため、電波は繋がったり圏外になったりを繰り返していますが、インターネットは基本的に使えないと考えたほうが良いです。

船内の乗客が減った感じには見えず、奄美からフェリーに乗ってくる人も多かった様子です。相変わらず2等客室は満員状態なので、船内の適当なテーブルを確保して朝日と海を見ながら過ごします。

・亀徳港 (徳之島)

午前9時過ぎ、船内のアナウンスとともに、徳之島の亀徳港に寄港しました。ここからは約2時間毎に次々と離島の港を経由します。
私は徳之島を2015年のバイク旅行で訪れたことがあります。曇天で爆風が吹き荒れる中、テントを張って一夜を明かしたことを思い出し、何だか懐かしい気分です。

徳之島の人口は約2万2千人とそこそこ大きい島で、この島からの乗船者も多かったのですが、フェリー入港から出航まで僅か30分の間に貨物の積み下ろし・積み込みも行うので、慌ただしく作業をしている様子を船の上から見ることができます。
牛さんも乗船して、フェリーは次の島を目指して徳之島を後にします。

・和泊港 (沖永良部島)

次は「沖永良部島(おきのえらぶじま)」にある和泊港に入港します。人口は約1万人の島ですが、この島でも多くの乗客の乗り降りがありました。
まだ鹿児島県の島ですが、ここまで来ると沖縄本島の方が圧倒的に近いので沖縄との繋がりの方が大きく、遠くに見える家々も沖縄を感じさせる造りです。しかしながら、南九州を中心に販売されている「イケダパン」が搬入されているのを見ると、ここがまだ鹿児島であることを実感できます。

持ち込んだ食料も尽きたので、昼食は船内レストランへ。大混雑だったので営業終了時間ギリギリを狙ってスムーズに食券を買うことができましたが、ほとんどのメニューは売り切れでカレーを注文しました。

・与論港 (与論島)

カレーを食べ終わってゆっくりしていると、鹿児島県最南端の島「与論島」に到着しました。
与論島の人口は約5,000人で、これまで寄港して来た中で一番小さい島ですが、やはり乗客の乗り降りは多かったです。

海の色がエメラルドグリーンに輝き、南の島にやって来たことを実感します。まだ鹿児島なので、ここでもイケダパンが搬入されていましたが、徳之島で乗ってきた牛さんの姿はありませんでした。どうやら牛さんは沖縄入りみたいです。
年始で乗客の乗り降りが多かったからか、与論島を約15分遅れで出航しました。次はいよいよ沖縄県に入り、今回の下船地である本部港に向かいます。

・本部港 (沖縄本島)

島の中央にとんがり帽子のような山がある島「伊江島」が見えたら、本部港へ間もなく到着です。
昨日の16時30分に乗船して、現在時刻は16時30分です。フェリーの中で丸1日過ごし、約24時間の船旅は長かったですが、色々な離島の様子が見れて面白い旅ができました。案内放送があったので、バイクがある車両甲板に降りて下船準備をします。

下船時刻は16時50分頃でした。フェリーは最後にスピードアップしたようで、これまでの遅れを取り戻してほぼ定刻で沖縄の地に上陸しました。この日の気温は19℃。沖縄は最高気温と最低気温の差が少ないので、夜の冷え込みが無く、快適に宿泊地までバイクを走らせることができました。

私は学生の頃にもバイクの旅で沖縄に来たことがありますので、今回で2回目になります。自分のバイクで2回も沖縄に来るとは思ってもいませんでしたが、前回は125ccスクーターで今回は大型バイク。また一味違ったバイクの旅を楽しみたいと思います。

<<沖縄本島バイクの旅 その2>> へ続く…