【バイク日本一周旅】南西諸島編(6~7日目)-徳之島から沖縄へ

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・2015年2月28日(土) – 6日目

奄美大島の「ヤドリ浜キャンプ場」で2回目の朝を迎えた。今日は次の島である徳之島に向けてフェリーに乗船する日だ。朝から小雨がパラつく中、テントの撤収作業に取り掛かり、9時過ぎにキャンプ場を後にした。
このキャンプ場に住み着いている青年に挨拶してから出発しようと思ったが、早朝から仕事に出ているのか、彼は不在のようだった。

走ること20分。奄美大島の南側にある古仁屋港に到着。この港は旅客よりも貨物が中心なのか雑然とした感じで、売店みたいなフェリーターミナルで受付を済まし、10時発の奄美海運(鹿児島~喜界~知名航路)に乗船した。
船内はやはり貨物が中心のようで乗客は少ない。昨日風呂に入っていなかった私は、この船についていたシャワー室をありがたく利用し、遅めの朝食を食べて昼寝に興じた。

徳之島の平土野港までは約2時間半の短い船旅で、12時40分に到着。こうして、2つ目の離島である徳之島に上陸を果たした。腹が減ったので、まずは港の近くにある徳之島空港に立ち寄り、空港ビル内のレストランで昼食を食べた。
その後は空港の近くにある「ウンブキ」という、変な名前の洞窟に立ち寄ってみた。看板には「陸の中の海」と書いてあり、数百メートル先で海と繋がっているらしい。道路脇の階段を下ると直ぐに洞窟の入り口に到着した。

空港の目と鼻の先にあったので何と無く訪れただけだったが、 洞窟の前に立つと想像を遥かに超える絶景に出会うことができた。
徳之島は奄美大島に比べて観光客が少ないからか余り注目されていないようだが、もっと有名になっても良い場所だと思う。地下にあるので、相変わらずの曇天でも変わらない絶景が見れるのも良いものだ。

次に、「ムシロ瀬」という花崗岩の奇岩が広がる場所を訪れた。 ここにも人の気配は無く、波の音だけが聞こえる静かな場所だ。

徳之島はバイクなら2時間ほどで一周できる、周囲約80kmの小さな島である。私は8の字を描くようなルートで、島内を駆け巡った。

続いては、島の北東部にある金見崎へ。
集落の中の狭い道に自生するソテツの並木道は、まるでトンネルのようだ。バイクでも厳しそうな道だったので、そんな「ソテツトンネル」を歩いて抜けると、目の前には断崖絶壁と大海原が広がった。

侵食されてデコボコした奇岩に、悪天の日に海水が溜まって何日かたったのか、何とも気色の悪い色をしていた。
更に奇岩の中を進んでみると洞窟を見つけたが、その気味の悪い風景にビビって退散。再びソテツトンネルを潜り抜け、次の景勝地へ向かった。

犬の門蓋というこれまた奇岩地帯に立ち寄り、戦艦大和の慰霊塔がある犬田布岬を訪れた。その昔、かの有名な戦艦大和はここ徳之島の沖合いで沈没された。美しい風景の中に悲しい歴史を秘めている場所である。

暗くなるまでまだ時間があるので、さとうきび畑が一面に広がる田舎道をのんびり走ってみる。思ったよりも島内はアップダウンが多く、非力なエンジンはしょっちゅう唸っている。

そんな感じで小さな島を迷走する中で、小原海岸という場所にたどり着いた。
そこは他の場所よりも遥かに高い断崖絶壁が広がっていて、手付かずの自然の中に私は立っている。この風景は恐らく数万年もの間、変わっていないのだと考えると、何だか壮大な気分にさせてくれる。

バイクで到達した場所から崖下の方向を見ると、きれいな浜辺が見えた。小屋もあったし、夏にはここで海水浴ができるのだろうか。
しかし、この断崖の登山道みたいな所を歩いていくしか、あそこにたどり着く方法は無さそうだ。まあ、地元の子供達は遊び慣れていて、こんなのは余裕で駆け抜けて行くのかも知れない。

この後は島の南西部にある瀬田キャンプ場という所でテントを張り、徳之島での一夜を明かしたのであった。

【6日目移動距離・出費】
瀬戸内町→(フェリー)→徳之島:98km
出費:7,180円
(フェリー料金:6,140、食費:1,040)

・2015年3月1日(日) – 7日目

この日で月を跨ぎ、2月から3月へ。本州なら冬から春へといった感じだろうが、私にとっては学生最後の月だ。これからこの旅からの帰還、学校の卒業、新居への引越しから関東での新生活…と激動の一ヶ月が今、まさに始まったのであった。

そんな一ヶ月のスタートにふさわしく? 早速トラブル発生。昨晩からかなりの強風が吹き荒れ、未明にテントのポールが折れるという面倒な事態に。何とかテープで強引に巻きつけてその場は凌いだが、撤収時に確認すると、折れた1本のポールは一部が粉々になっている。これでは、このテントの設営は結構厳しい状態だ。
幸いにも、今日はいよいよ沖縄に向けて移動する日で、沖縄本島まで行けばテントを直すなり、安い宿泊先に止まるなり色々と手段を選べるはずだ。テントの破損については余り気にせず、キャンプ場を後にした。

上陸時とは違い、徳之島の東側にある亀徳港に行き、沖縄行きフェリーの乗船手続きを済ませた。日曜日だからか、港周辺には車はたくさん停まっているが、人は殆ど見かけず閑散としている。乗船時刻まではまだ時間があったので、奄美大島のジャングル走破でドロドロになったバイクの汚れを掃除した。
午前9時半、ついに私のとって最後の県である沖縄に向けて、フェリー(マリックスライン)に乗船した。沖縄本島の本部港まで、約7時間半の長い船旅だ。船内には売店、レストランは無く自販機のみだったので、奄美大島で買って残っていたパン類を昼食にし、シャワーを浴びたりして、のんびりと南の海の船旅を楽しみながら過ごした。

夕方の17時15分、沖縄県の本部港にバイクで上陸し、こうして私は47都道府県の踏破を達成した。
港の近くにある瀨底大橋を渡り、瀨底島(せそこじま)という小さな島に立ち寄ってみた。白い砂浜と透き通った海が綺麗な島であった。

空は厚い雲に覆われ、夕日を見ることは出来なかったが、夕方の国道58号線を南へ走り、この日は沖縄本島中部の町、北谷(ちゃたん)町の安宿に宿泊した。
天気予報を見ると、曇りと雨マークがズラり。その中で、明日だけは晴れの予報が出ている。明日は沖縄本島一周の旅をしよう。そんな計画を考えながら、沖縄初日の夜は更けていった…

【7日目移動距離・出費】
徳之島→(フェリー)→本部町→北谷町:101km
出費:8,213円 ※累計:44,601円
(フェリー料金:6,370、ガソリン代:853、食費:990)

【バイク日本一周旅】南西諸島編(8~10日目)-沖縄本島ぐるぐる旅 へ続く…