【バイク日本一周旅】南西諸島編(4~5日目-奄美のジャングルを探検)

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・2015年2月26日(木) – 4日目

早朝4時半、フェリー船内で起床。下船地の名瀬港(奄美大島)の到着時刻は5時15分となっている。
眠たい体を無視して下船の準備を始め、定刻通りにバイクごと奄美大島の地へ降りたった。しかし、小雨が降っている。チョイ乗りならカッパを着ずに走れるが、遠くに行くには辛いところだ。港の近くに24時間営業のファミレス(西日本ではよく見かける「ジョイフル」)があったので、ここで朝食を食べつつ雨宿りをすることにした。

ファミレスに3時間ほど居座り、ようやく雨が止んだっぽいので出発。「奄美博物館」という昭和レトロな感じの施設に立ち寄り、奄美大島の歴史や文化を何となくではあるが学んだ。

屋外には昔の家屋が再現されていて、人が出てきてもおかしくない感じだったが、閑散としていて他の来館者を一人も見ることなく博物館を後にした。

天気もスッキリしないので、早々とキャンプ場へ向かうことにした。奄美大島は離島とはいえかなり大きな島で、今いる奄美市の中心地から目的地のキャンプ場までは約60km、1時間半走る必要があるのだ。
国道58号線を南に走る。2月末だが気温は22℃、ここまで南に来ると、もはや冬という季節は無いのかも知れない。南国の風を感じながら市街地を抜けるとジャングルが広がり、初めての風景に新鮮な気持ちになったが、しばらく走ると洪水のような土砂降りの雨が降ってきて、前が見えなくなった。これが社会の授業で習った、南国特有のスコールというやつなのかも知れない。

最後は車も殆ど通らない海沿いの道を15分ほど走ると、目的の「ヤドリ浜キャンプ場」に到着。南国っぽい樹木が自生する中に芝生があり、自由にテントを貼れるようだったので、適当な場所にテントを設営した。
他には誰もいなかったが、藤棚?のような構造物の下に随分とくたびれたテントが一張りあった。管理人みたいな人がたまに来て使ってる常設テントなのかも知れない。

このキャンプ場で2泊する予定。無料ながらもトイレ、炊事場(洗剤や椅子がいっぱいで生活感満載だが…)が完備で快適に過ごせそうだ。
遅めの昼食を食べた後、雨の気配はなくなったので少し出かけてみることにした。奄美大島南部の瀬戸内町市街地方面にバイクを走らせ、途中から急な山道を駆け上がり、「高知山展望台」という場所に着いた。

展望台の3階まで上がると、南側180度の展望が広がった。美しい海とジャングルの森、奄美大島最南の町である瀬戸内町の市街地までもが一望できる絶景だ。大阪に住む私としては、この風景はまるで東南アジアの異国に来たような感覚に陥った。天気は相変わらずの曇天が残念極まりないのだが…

山を下ってローカルな商店で買い出しを済ませ、また閑散とした海沿いの道を走ってキャンプ場に戻った。すると、1台の原付バイクが停まっている。テントの方まで行くと、藤棚の下の常設テントにワイルドな風貌の人がいた。どうやら旅人だったようだ。後で軽く話をしたのだが、日本中を原付で旅する途中でここ奄美大島にたどり着き、この島で仕事を見つけてもう何ヶ月もキャンプ場から通勤しているらしい。
旅人にも色んな人がいるもんだ。会社員で週末や休暇中に旅する人、私みたいに学生で貧乏旅をする人、はたまた無職になって日本一周する人… これまでで遭遇した旅人を思い出しながら、ガスコンロで一人簡素な夕食を作った。

【4日目移動距離・出費】
奄美市(名瀬港)→瀬戸内町:130km
出費:2,019円
(ガソリン代:795、食費:1,074、その他:150)

・2015年2月27日(木) – 5日目

奄美大島で新しい朝を迎える。空を見上げると安定の曇天だが、気温は15℃で過ごしやすい。この日は時間に焦る必要もないので適当な時間に起きて朝飯を食べたが、この旅で早起きの習慣がついているのか、まだ時刻は8時前だ。

雨上がりで湿度は100パーセントに近いが、今日1日を使って奄美大島の隅々を探検したい。午前8時半にキャンプ場を出発し、昨日は土砂降りの雨の中走った国道58号線を北に走る。

本州では見ることのないマングローブの森の風景を見る。そこそこ大きな川が蛇行しながらおだやかに流れていく風景は、ここが離島であることを忘れさせてくれる。
この後は国道を外れて、細い急坂の山道に入る。原生林のジャングルに突入だ。

林道は段々と細くなり、舗装は無くなってダートに変わる。昨日の雨が路面に溜まり、ドロドロの水溜りが至る所に発生していて、オフロードバイクならこの状況を楽しむことが出来るのだろうが、スクーターでは非常に走りにくい。
さらに進むと、道幅はもはや軽自動車が1台ギリギリで通過できるような狭さになった。しかしこの狭さが、ジャングルの中を本当に探検している気分にさせてくれる。

結構な距離を走ったところで、ようやくまともな広い道にでることが出来た。林道に入ってから20km位は走っただろう。スピードが遅いので1時間以上はジャングルに入っていたようだ。
ここで地元民と思われる車に乗ったおっちゃんに話しかけられ、林道の先の状況を聞かれた。おっちゃんも林道が気になっているようだが、まだ入ったことは無いらしい。地元の人でも入るのをためらうような、深い大自然を簡単に堪能できるのは、バイクで来て良かったと改めて思ったのであった。

幾つもの水溜りに突撃したからか、バイクの後方はドロドロになり、ナンバープレートの数字の識別も難しいほどになっていた。軽く泥を払い、後はキャンプ場に戻ってから掃除をしたいところだ。
再び国道58号線に戻って、北の方向へバイクを走らせる。名瀬の市街地から長~いトンネルを抜けると、森の風景に一変して大自然を感じながら、奄美大島最北端の笠利崎を目指す。

奄美空港のガソリンスタンドで給油を済ませ、そこから少し北へ走ると「あやまる岬」という景勝地があったので立ち寄り。晴れていれば青い空、美しい海が広がって素晴らしい風景なのであろう。確かに眺めは良かったが、この曇天が邪魔をして絶景というには厳しい感じだった。

あやまる岬から北側はエメラルドグリーンの海が広がっていて、曇っていてもそれなりに美しい風景を視界に収めながらバイクで駆け抜けることが出来た。
道の突き当たりにある急坂の階段を登ると、笠利崎灯台に到着。ここが奄美大島最北端の地だ。
360度の風景と曇り空の下、しばらく海を眺めてからこの地を後にした。時刻は14時半、奄美大島は広いので、そろそろキャンプ場に向けてバイクを走らせたい。私が滞在しているキャンプ場は島の最南端な場所にあるので、これから走行するルートは完全な奄美大島縦断となるのだ。

再び奄美市の中心に戻り、買い出しを済ませてから今度は島の西側の海岸線沿いを走った。
時刻も17時を迎え、晴れていれば綺麗な夕日が見れるのだろうが、朝からずっと曇り空だ。それでも綺麗な水色の海を見つつ、少しづつ薄暗くなっていく島の風景の中で、キャンプ場目指してひたすらにバイクを走らせた。

こうして辺りは真っ暗になり、テントを張った場所に戻った頃には18時半になっていた。しかし前日からテントを張りっぱなしだったので何の問題も無いのだ。
また簡素な夕食を作って食べ、明日はいよいよ次の島である徳之島に上陸だ。テントの中で地図を見て計画を練りながら、眠りについたのは22時を過ぎていた。

【5日目移動距離・出費】
瀬戸内町→奄美市(金作原原生林)→笠利崎→大和村→瀬戸内町:271km
出費:1,801円
(ガソリン代:811、食費:501、その他:489)

【バイク日本一周旅】南西諸島編(6~7日目)-徳之島から沖縄へ に続く…