【バイク日本一周旅行】西日本編(8~10日目:四国へ)

・2013年3月18日(月)-旅行8日目

 旅に出て2回目の月曜日がやって来た。天気は今にも雨が降ってきそうな曇りだった。予想通り、出発してすぐに雨が降ってきて、阿蘇山の峠道では前が見えないほどの大嵐に遭遇した。バイクも倒れそうなので、停めるときは建物の横にピッタリと停めるようにした。この嵐は積んでいた本、地図に加えて上着まで水浸しになり、それは夜まで乾かずに浸みていた。

大嵐の阿蘇山頂は誰もいない、そして何も見えなかった
阿蘇の道の駅には珍しい電動バイク用の充電器が設置されていた

大嵐の中、九州最後の県となった大分県に入った。永遠とびしょ濡れの森の中を走って温泉の街、別府へ抜けた。森の中を抜けると同時に雨は止み、短い時間で天気は晴れに変わった。別府と言えばやっぱり温泉。雨上がりの午後、温泉を目指して走り回り、秘湯2箇所と公衆浴場1箇所に入った。入浴料金も0円、0円、100円と格安で温泉三昧だ。

1つめの秘湯は獣道を進んだ先に突如出現した

温泉の名前と正確な場所は忘れてしまったが、2箇所の温泉に行く道は雨上がりだからかドロドロで凹凸が激しい砂利道が続き、日本の道とは思えないほどの悪路で、まさに秘湯と呼ぶにふさわしい場所だった。 誰もいなかったのでゆったりと浸ったが、野生動物が出没しそうで終始ビビリながらの入浴だ。

あちこちで湯気が立つ別府市街地を望む
2つ目の秘湯  川の流れに沿ってたくさんの露天風呂があった

2つ目の秘湯も同じく森の中だったが、こちらは川沿いで露天風呂も広く、少し開放感があった。ちょうど良い温度の場所を探して、1つめより少し長い間浸かった。

崖っぷちの悪路はまるで東南アジアや南米を彷彿とさせる道だ

この後、市街地の公衆浴場に入って別府を後にしたのだが、実はもう一つ秘湯に入る計画だった。しかし、そこに続くはずの道は看板とゲートで封鎖されていて、先に進むことはできなかった。その看板とゲートは比較的新しくて、最近になって閉鎖されたのだろうか… しかも看板には警察署、防犯カメラ作動中、通報など物騒な感じで、私はビビって逃げるようにその場から退散したのであった。

行き止まり

大分市まで移動して、また洗濯物が溜まってきたので、コインランドリーに行って雨で浸みた上着と一緒に洗濯した。乾燥機も使用して、終わる頃にはすっかり車も少ない深夜になってしまった。夜食にラーメンを食し、2回目のネットカフェに泊まった。温泉とラーメンで喉が渇き、ネットカフェのドリンクバーでジュースを8杯もがぶ飲みだ。

・2013年3月19日(火)-旅行9日目

早朝、大分の佐賀関港から愛媛県の三崎港行きの国道九四フェリーに乗船した。昨日の大嵐が嘘のような快晴の空の下、この旅のステージも九州から四国へと変えて、今日も進んで行く。

約1時間の船旅で四国に上陸。昨晩、地図を見ていてやっぱり突端を目指したいと思い、四国最西端の佐田岬を目指した。青い空と目前に迫る大海原を目いっぱいに収めながら、バイクで快走して風を感じた。旅に出て1週間以上が経ち、もはやこの景色が日常になっていく。そんな感覚も味わいながら…

突端の駐車場にバイクを停めて、20分くらい歩いて佐田岬に到達した。鹿児島の佐多岬と違って南国感は余り無かったけど、そこはどこまでも海が広がり、遠くうっすらとではあったが、これまで走ってきた九州を見ることができた。

突端まで、ワイルドな感じの遊歩道が続く
四国最西端の地を踏む

駐車場の入り口に戻ると、路上でおばあちゃんがみかんを売っていた。おばあちゃんは強引にみかんを売ろうと私に近づき離れようとしなかったので、私は負けて少し値切られたみかんの束を購入した。

透き通った海、青い空
中々インパクトのある建物である

みかんをぶら下げながら、快晴の四国をひたすら東に向けて走った。しかし今日はおなかの調子が悪くて道の駅、コンビニ… トイレに立ち寄ってばかりだ。どうやら昨日の深夜にネットカフェで大量にジュースを飲んだのが原因のようだ。

四国の山をひたすら快走

それでも私とバイクは順調に四国カルストという場所を目指した。山道は次第に狭くなり、途中の工事で迂回してさらに狭い道に入ったので、不安になって地図を見ると、地図に道が載っていない。けれども道は続いているのでとりあえず進んでみる。やがて道の舗装は無くなり、車1台分しか無い道幅の急坂を駆け上がった。途中には分かれ道もあって、迷った時の道しるべとして道端に枝を差しながら進み、それはまるで未開の地の冒険だった。

地図に道が無い区間を3kmほど走った頃、舗装された2車線の道路に出た。この時の安心感は猛烈で、今でも良く覚えている。迷ったり不安になったら立ち止まり、時には引き返す。急がば回れの大切さを身に染みて感じたのであった…

韮ヶ峠 「坂本龍馬脱藩の地」らしい

気がつかないうちに高知県に入っていた。龍馬脱藩の地でしばし休憩して、永遠と上り坂が続く山道を駆け上がり、カルスト大地の上に立った。これまで秋吉台、阿蘇と景色の良いはずの山はいつも嵐だったけど、今日四国カルストは快晴だ。山頂付近の少しだけだったけど、まるで北海道のような牧草地の広がる風景があった。ここを訪れてから、私の中で北の大地北海道をこのバイクとともに走りたい。という思いがさらに大きくなっていった。

カルスト台地の上でキャンプ。それは最高の選択だと思ったが、標高の高いこの地では、夜の気温は0℃を下回るくらいにまで下がるだろう。寒さへのビビりから、私は山を下ってテントを張ることにした。

1000m以上の高低差を一気に下り、帰全山キャンプ場という川沿いにある
無料のキャンプ場を目指した。そこは何の変哲も無いただの河川敷であったが、地図に書いてあった場所と同じで、現地には案内板もあった。ほぼ野宿のような状態だが、ここで間違いはなさそうだ。適当な場所にテントを張って、閉店間際のスーパーへ行って簡素な食事を買い足した。

テントの近くまで戻ったとき、散歩をしている2人組の地元民と遭遇した。完全に不審者に思われそうだが、普通に挨拶を交わして、お互い過ぎ去っていったので何だか安心した。 みかんとスーパーで買った半額弁当を食して、この日は早めに眠りに就いたのであった。

・2013年3月20日(水)-旅行10日目

早朝に自然と目を覚ますと、空は見事な曇天が広がっていた。外気温は9℃。安い寝袋でもギリギリ凌ぐことができて、久しぶりに長い睡眠時間を取れたのである。

国道439号を行く 細く荒れ果てた道はまさに「酷道」だ

曇天の四国を東へ走り、峠を越えて徳島県に入った。深い山中の道は雨も少しだけ降ってきたものの、樹木がそれを遮ってくれた。気温も余り上がらず体が冷えてきた所で、温泉に入ることにした。

名勝「祖谷のかずら橋」

祖谷温泉。崖の上にある立派な温泉旅館に入り、そこからケーブルカーに乗って、 山と山に挟まれた深い谷にある温泉に入る。料金は1,500円で、私にとっては1日の宿泊費より高額な出費であったが、この旅も終わりに近い。さらにケーブルカーに乗れる物珍しさにも惹かれ、旅館の駐車場の片隅に汚いバイクを停めて温泉旅館に入った。

祖谷川の流れを聞きながら、のんびりと温泉に浸る

源泉100%で少しぬるめだ。 深い谷は次第に雨と霧に包まれ、幻想的な景色を見せてくれた。温泉も貸切で、気がつくと1時間は浸かっていた。

プレハブ小屋みたいな形のケーブルカーに乗り、温泉目指して深い谷を下る
20人くらいは乗れそうだ
腹がへったので、温泉旅館でそばを食す

温泉から北に向かって少し走った頃、バイクから地面を擦るような異音がし始めた。こんな山奥で、しかも雨の中で故障はかなりヤバい。不安を抱えながらバイクを停めて車体の下を確認した。すると、見事に木の枝が引っかかっていて、これを外すとなんてことは無く再び走り出すことができた。良かった良かった。

その後はにわか雨にやられながら、香川県に入ってうどんを食べた。3玉の大盛りにしたせいで食い過ぎ、腹が苦しかった。1玉が通常よりかなり多かった気がする。

相変わらずの雨でキャンプは諦め、またネットカフェで一夜を明かすことにした。宿泊費節約のため、道の駅で荷物整理などして時間を潰してからネットカフェに入店し、今日も長い一日が終了だ。 なぜだろうか、旅に出ると一日がもの凄く長く感じて、もう1ヶ月くらいは放浪している感覚だ…

道の駅から瀬戸大橋を望む

西日本編:11~12日目に続く…

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