【バイク×ソロキャンプ 北海道一周旅行】8日間・2,800kmの軌跡 – 6~7日目

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2019年9月15日~22日。広大な北海道の大地をテント泊を繰り返しながら、8日間で一周した旅の記録。

・2019年9月20日(金) – 6日目

友人宅での宿泊だったので、今日はいつもより遅めに起きて、10時に出発。ガソリンを満タンにして、えりも岬に向けて南下する。
交通量が皆無の素朴な道道を走り継ぎ、「八千代展望台」に寄り道。広い駐車場と薄暗い公衆トイレは完備だったが、展望台へと続く遊歩道はあまり手入れがおらず、所々が陥没したりしてワイルド感をかもし出している。

遠くは曇っているが、昨日からさっきまで走って来た道筋を辿れるほど視界が開けている展望台から十勝平野を遠望する。この辺りは標高が少し高いので、既に紅葉が始まっている木々も多かった。

国道226号から国道336号へ走り、通称:黄金道路と呼ばれる長い海岸線とトンネルが続く道を通る。断崖絶壁の中を長いトンネルで貫き、まるで黄金を敷き詰められるような大金を投入した建設されたのがその名前の由来らしい。

1年を通して風が強く「風極の地」の異名を持つ襟裳岬であるが、今日は風もほとんど無くて穏やかだ。僕にとってはここ訪れるのも5年ぶりで、5年前は曇天で案の定かなりの強風が吹き荒れていて、バイクが倒れそうになったのを覚えている。
襟裳岬灯台の横から延びる遊歩道を歩いて、岬の突端ギリギリまで攻めてみる。日高山脈の山塊がそのまま太平洋の海に沈みこむ光景は、何度見ても圧巻だ。

襟裳岬をのんびり散策していたら、時刻はもう14時を過ぎている。この旅ではいつの間にか早朝から行動することがスタンダードになっていたから、今日のゆっくり10時スタートが、後の時間に響いていることに今さら気づいた僕であった。のんびり色々見て回る旅の方が良いのかも知れないが、今回の旅はあくまでも「北海道一周」を一番の目的としている。残りの日数と距離を考えて、今日中に日高半島を走破しておきたいところだ。

時々寄り道して景色を楽しみつつ、基本は国道235号線を走って北西の方向に海岸沿いを進んでいく。ここ日高地方は「サラブレッドの聖地」として有名なため、至る所でお馬さんが放牧されている風景を見ることができる。

日高厚賀ICから先は自動車専用道路の「日高自動車道」が苫小牧まで無料で開通しているので、昨日と同じくショートカットに使い、本日のキャンプ場最寄りの厚真ICで降りた。
ここ厚真町は、この旅の1年前の2018年9月に発生した「北海道胆振東部地震」の震源地であり、まだその爪痕が色濃く残っている。道路も通行止めが多数あり、通れる道も至る所でアスファルトに亀裂が入っていてボコボコの状態。車高の低い車で走るのは厳しいだろう。

今日は厚真町の「大沼キャンプ場」にテントを設営した。利用者はそれなりに居たが、敷地が広いので開いている場所を選ぶ。
バイクで来ているのは僕だけのようで、逆に大勢で来ているグループもいない。この日だけかも知れないが、何故か道内から車で来ているソロキャンパーが多いキャンプ場であった。この沼では淡水魚の釣りができるそうなので、釣り目当てで来ている人が多いのかも知れない。

夕方、近所の道の駅(約10キロ先だったが…)に併設の温泉に行った。平日だというのに、駐車場は車中泊の車でいっぱいで、駐輪場はこれから苫小牧港発のフェリーに乗ると思われる大型バイクで埋め尽くされている状態。混んでいるようだが、近くに他の温泉施設は無いので、ここを利用する。そして、帰り道のスーパーで安売りされていた適当なパン類を購入。今日の夕食はこれで済ませた。

【6日目軌跡】
出発地:帯広近郊 (10:00出発)
経由地:えりも岬
到着地:厚真町字鯉沼 大沼野営場 (17:20到着)
天候:曇、最低14℃/最高18℃
走行距離:355km
費用:2,392円(ガソリン代980、食費892、温泉520)

・2019年9月21日(土) – 7日目

朝霧が立ち込める沼のほとりで朝を迎える。テントの外に出ると、何だか一段と体が冷える。夜露を拭いてバイクの温度計を見ると、外気温は4.4℃。どおりで寒いわけで、9月の平地でここまで下がるとは、北海道の自然の厳しさを思い知らされた格好だ。

地面は夜露でびっちょりだが、テントを木の下に設営したお陰で、僕のキャンプ道具はほぼ湿らずに済んだ。寒い中、飯の支度をするのもおっくうで、自然の力で冷蔵されたコーヒーだけを飲んで、撤収を始めた。
苫小牧港に「マルトマ食堂」という、朝からやっている海鮮系の有名店を昨日の友人から勧められたので、そこで朝食としたい。

…が、行ってみると既に長蛇の列。旅に出ると曜日の感覚が狂うが、今日は3連休初日の土曜日だ。一日早ければ、すんなりとマルトマ食堂にありつけたのかも知れないが、1時間以上待ちそうなこの行列には並びたくない。隣接する道の駅の食堂も既に営業している様子だったので、そっちで朝食を取ることに。
朝から海鮮丼と苫小牧名物らしいホタテカレーのセットを注文。

幹線道路の国道36号線で苫小牧から室蘭へ移動する。室蘭市街地の入り口で左折し、道幅の狭い道道を抜けて「チキウ岬」へ向かう。
この手前、「トッカリショ」という奇岩が立ち並ぶ場所で、道路の真ん中に怪しい黒い物体が見えたので、その物体の手前でバイクを停めた。近づいて見ると、大量の魚が天日干しされていた。きっと、近所の人が朝の漁で捕まえて、めんどくさいから適当な場所で干しているのだろう。

魚の横を抜けて走ること数分、チキウ岬(地球岬とも言う)展望台に到着。海を挟んで北海道駒ケ岳から日高山脈まで見渡す絶景だ。昨日に続き、今日も風が無く空気が澄んでいて、遥か遠くの山々がはっきりと見えた。
室蘭には、ここチキウ岬と並ぶ絶景スポットとして「測量山」という場所がある。山といっても頂上近くまでバイクで行けるので、数十段の階段を上るだけで到着できるから気軽に行ける場所だ。

標高199mの測量山頂に立つ。明治5(1872)年に「札幌本道」をつくる際、当時の陸地測量道路築造長の米国人技師ワーフィルドがこの山に登って見当をつけたことから「検討山」と呼ばれ、後に「測量山」と改められたのが、この山名の由来だそうだ。
確かに遠くまで良く見えて、道路のルートを決めるのには最適な場所だろう。当時は建物などほとんど無かっただろうが、約150年も前に同じ景色を見て、北海道を開拓していった人々がいたと思うと、歴史に思いをはせる場所に思えた。

測量山から見えた白鳥大橋を渡り、洞爺湖へ向かう。道中には1944年に形成された新しい火山である昭和新山を身近に見る。
洞爺湖畔の「壮瞥公園(そうべつこうえん)」にバイクを停めて小休止。頂上が雲隠れしているが、きれいな円錐型の羊蹄山も見ることができる。

湖畔の足湯「洞龍の湯」に入り、湖を見ながらのんびり過ごす。この後、北海道最南端の地に向けて大移動が始まるので、それに向けてのリフレッシュタイムだ。
静かな湖畔を後にし、虻田洞爺湖ICから道央自動車道で一気に距離を稼ぐ。この区間は有料だからか、交通量はかなり少ない。日本の地方によくある片側一車線の単調な自動車専用道路だが、見える景色は日本離れした牧草地と深い森の風景が交互に続き、その中をハイペースで駆けて行くのは中々爽快である。

終点の大沼公園ICで自動車専用道路を降り、函館郊外の道道を抜けて、最南端の地へと続く国道228号線を南へ走る。津軽海峡の向こう側には青森県の津軽半島・下北半島が見えている。
一般道に入ってからもかなりの距離を延々と走る。分かってはいても、やっぱり北海道は広い。時刻はもう夕方になってしまったが、洞爺湖から走ること約3時間半、遂に北海道最南端の地「白神岬」に到着。

宗谷岬や納沙布岬と違ってマイナーな場所だからか、白神岬は国道の脇にある目立たない静かな所で、油断すると通り過ぎてしまうような場所であった。停まっている車も釣りに来たと思われる無人の車が数台あるだけだ。白神岬には10分だけ滞在し、日没が迫っているので先を急いだ。

夕陽と海の向こうに見える2つの無人島「松前大島」「松前小島」を横目に、国道228号線を今度は北の方向へ走る。夕方の帰宅時間帯ではあるが、松前町の市街地を除くと相変わらず交通量は少ない。
今日のキャンプ地は上ノ国町の「夷王山キャンプ場」に決めている。無料で受付は不要みたいだが、暗くなるとテントの設営が難しくなるので、少しでも明るさが残っている時間には着きたいところだ。

午後6時過ぎ、この旅の中では一番遅い時間になってしまったが、無事にキャンプ場に到着し、完全に真っ暗闇になる前にはテントを設営が完了。夕食の準備も取り掛かることができて、これで一安心。山の上なので、夜になると2つの小さな街の夜景が一望できる。

この旅も明日で最後なので、かめし・焼きさんまめし・札幌ラーメン(袋)にガラナ、いつもよりちょっとだけ豪華?な夕食を頂く。
先にテントを張っていて、僕と同じく東京都郊外から来たというセロー乗りのおじさんと旅の話で盛り上がり、こうして北海道最後の夜は更けていくのでした…

【7日目軌跡】
出発地:厚真町字鯉沼 大沼野営場 (7:10出発)
経由地:チキウ岬、洞爺湖、白神岬
到着地:檜山郡上ノ国町字勝山520 夷王山キャンプ場 (18:10到着)
天候:晴れ、最低 5℃/最高22℃
走行距離:458km
費用:8,516円(ガソリン代3,694、有料道路代(虻田洞爺湖IC→大沼公園IC)1,840、食事2,982)

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