【バイク日本一周旅】東日本編(5~7日目:北海道一周その1)

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・2014年8月17日(日) – 5日目

 早朝6時からキャンプ場で撤収作業に取り掛かった。キャンプ場では地元の少年達がこんな早朝からサッカーをして遊んでいた。大間という地域的に親が漁師という家は多いはずなので、子供たちも早起きの習慣がついているのだろう。

サッカー少年達を横目に、大間港のフェリー乗船口へ向かう。キャンプ場からはすぐ近くで、ものの数分で到着。真新しい津軽海峡フェリーの建物で乗船手続きを行い、そのまますぐに乗船することができた。

 大間からフェリーに揺られること90分、感覚的にはあっというまに函館港に到着し、僕はついに念願の北海道上陸を果たした。天気は相変わらず曇天で薄気味悪い空であるが、北の大地を自分のバイクで走る歓びを感じながら、函館港から北へ走り出し、札幌方面へ向かう。

国道5号線をひた走り、大沼公園で小休止。JR函館本線の線路が目の前で、列車の音が聞こえて思わずカメラを構え、特急列車(スーパー北斗?)の撮影に成功した。天気が悪いからか人は少なかったが、BMWの大型バイクに乗ったおっちゃんに話しかけられ、同じく大阪から来たという事で話しが盛り上った後、おっちゃんは愛車とともに軽やかに去って行った。
これまでバイクは125ccで良いと思っていたが、この光景を見てからだろうか、私は少しづつ大型バイクに興味を抱き始めたのであった…

かにめし
駅前の食堂「かなや」にて昼食

そんなことも思いながら、バイクはさらに北上。名物と言われている「かにめし」を食すべく、長万部(おしゃまんべ)駅に立ち寄った。

長万部名物の「かにめし」を食した。暖かい飯と蟹の味噌汁はバイクの運転で冷えた体に染みた。この旅の間は貧乏飯ばっかりなので、たまに食べる名物料理はさらに旨く感じる。しかし、旅の資金は限られている。数日に一回の楽しみとしたい。

長万部から先は海沿いを離れ、ニセコ方面を走る。ここで天気が久々の晴れとなり、気分も上々にワインディングを駆け抜けた。

ニセコから日本海側へ抜けて、積丹半島を海沿いに走る。その積丹半島の突端にある「神威岬」と「島武意海岸」に立ち寄った。しかし、天気はまた曇天に変わり、相変わらず薄暗い。

海岸線と断崖絶壁の風景は確かに良いロケーションであったが、曇り空と大量の観光客であまり気分を高めることはできなかった。
そして、何だかんだ観光してるうちに夕方になったので、札幌方面へ移動し、札幌郊外にあるネットカフェに泊まった。せっかく北海道に上陸を果たし、キャンプ道具も積んでいるのに、何故かネットカフェを選択してしまった。詳細は覚えていないが、当時の私はまだソロキャンプへの不安やビビりが残っていたのかも知れない。

【5日目移動距離・出費】
大間→函館→積丹→札幌:380km
出費:8,032円
(ガソリン代:1,877、フェリー料金:4,110、温泉:440、食費:1,605)

・2014年8月18日(月) – 6日目

午前8時半、それほど早くない時間に札幌郊外のネットカフェを出発。
今日の空を見上げてみると、また曇天。この旅の道中では雨が降るわけでもないが晴れない。日本国内に居ながら、これだけ毎日曇りの日が続くのも珍しいだろう。

国道36号で苫小牧まで行き、そこからは進路を東に変えて太平洋の海沿いを走り、強風で有名なえりも岬を目指した。むかわ町から浦河町までの海沿いには多くの牧場で馬が飼育されていて、通称「サラブレットロード」と呼ばれている。

そんなウマウマの道を抜けて、通りがかりの豚カツ屋で昼食。場所と名前は忘れてしまったが、安くて美味い店だった。

豚丼を食した

腹を満たし、一気にえりも岬へと駆ける。もうお盆の期間も終わったのか、人や車は少なく感じた。そしてこの日の気温は20℃、バイクで走り続けると冷えてくるが、時折顔を出す太陽の日差しを浴びると快適な気温だった。

えりも岬には「風の館」という立派な建物と広い駐車場があった。風極の地の異名を持つ通り、この地に吹き荒れる強風は駐車場に停めていたバイクを揺らすほどで、転倒しないか不安を感じるほどであった。
遊歩道を歩いて岬の突端に立つ。日高山脈がそのまま海に沈んでいく風景は圧巻だ。ここで今日の宿泊地を探すべく、公衆便所の裏で強風を凌ぎながら地図を見て調べ、約100km先の「晩成温泉」という場所を目指すことにした。

えりも岬から広尾町に続く国道336号はその建設に莫大な費用が投入されたことから「黄金道路」と呼ばれている。その中でも「えりも黄金トンネル」は全長4,941mで北海道一長い道路トンネルだ。長~いトンネルの中はまるで冷蔵庫のように冷え切っていて、凍えながらそのトンネルから脱出すると、外は太陽の僅かな光に暖かく包まれていた。
かなりの気温差で全身の力が抜け、危うく転倒しそうになったのであった… 

国道336号のえりも~広尾までの区間は海岸線ギリギリを通っていて交通量も極小で、太平洋の大海原を眺めながら快適な走行を楽しむことができた。その道中で国道の真横に流れ出る滝を見つけて、滝の目の前にバイクを停めた。
「フンベの滝」という滝で、大きくはないが目の前で滝を見ることができるので迫力があった。前日に雨が降ったのか、水量が多くて道路に水が溢れ、まるで国道に向けてお漏らしをしているように見えた滝であった。

「フンベの滝」 から再び走り出すと直ぐに広尾町の市街地に入った。セ○コーマートで買出しを済ませ、本日の宿泊地と決めた「晩成温泉」を目指す。
広尾より先も国道336号を走る。今度は海岸線からも離れて交通量もほぼ無いに等しい状態で、まさに何も無いと言える道路だ。

こうして暗くなるギリギリの時間に「晩成温泉」に到着。この温泉にはキャンプ場が併設されていて、温泉の利用料金(400円)でキャンプもできる一石二鳥な温泉だ。
温泉もキャンプ場もほぼ貸切状態で、大海原の波の音を聞きながら一人浸る風呂は最高と言うに相応しいだろう。

風呂から出てキャンプ場に戻る頃にはもう真っ暗。簡易な夕食を自炊して、あっという間に眠りに落ちたのであった…

【6日目移動距離・出費】
札幌→えりも→大樹:400km
出費:5,181円
(宿泊費(前日分):2,060、温泉:400、ガソリン代:902、食費:950、おみやげ代:460、雑費:409)

・2014年8月19日(月) – 7日目

一夜が明け外にでると、テントとバイクが濡れていた。夜中に軽く雨が降ったようだが、既に止んでいるので幸いだ。
天気もはもはやこの旅のスタンダードと言っても良い曇り空の下、今日は道東方面へ。事前に予約済みの釧路にある宿泊地を目指す。

今日は8月19日でバイクの日だ。爽やかにバイクで駆け抜けたいところであるが、現実はそうも行かず、走り出して1時間もしないうちに雨が降ってきた。
スマホで天気予報を確認するが、どうやら夜まで雨のようだ。

そんな訳で、この日は観光も諦め、雨を凌げそうな場所を見つけてはしばしば休憩しつつ、ゆっくりと釧路へ向かっただけとなった。
午後になると雨はさらに強くなってきたが、無事に宿泊地に到着。「バイクステーション釧路」というバイク屋がやっている宿泊施設に1泊。

さすがはバイク屋が運営している施設だけあって、駐輪場は広々とした屋根付きで洗車場もある。今日のような雨の日に泊まるには良い選択であっただろう。
宿に入った後は、コンビニで飯を買ってシャワーを浴びて早い時間から爆睡。こうして、ほぼ移動しただけの1日が終わったのであった。

【7日目移動距離・出費】
大樹→釧路:120km
出費:3,070円
(宿泊費:2,160、食費:280、バイク部品:630)

【バイク日本一周旅】東日本編(8~11日目:北海道一周その2) へ続く…

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